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匠の技 有限会社「匠工芸」船箪笥(タンス) 三国箪笥(タンス)製作

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歴史と船箪笥

伝統に基づいた技法から生まれる

気品と風格

船箪笥の歴史1

「船箪笥の用と美」

世界中のどんな家具を引き合いに出されようと断じて恐れることはない。
日本には船箪笥がある……と、剛健な「用の美」の傑作を絶賛したのは民芸運動の先駆者・柳宗悦だった。
船箪笥という呼び名も柳宗悦によるもので、これは元来、懸硯・帳箱・半櫃と呼ばれていた北前船用の特殊な家具の総称である。
懸硯、帳箱は構造的によく似ていて、前面にびっしりと重厚な黒い鉄金具が施され、嫁入り道具の桐箪笥とはまったく趣が違う。
北前船の団屋達が、店の信用と格式を表わす物として、全ての職人達の技の結果が表われている日本独自の文化である。

船箪笥の歴史2

「船箪笥という名の金庫」

越前の諸港が交易で栄えたのは、特産品が多いことも理由の一つです。笏谷石(しゃくだにいし)のほかにも越前和紙・越前焼・越前瓦・越前打刃物・絹糸・絹織物などが北前船で運ばれた。そうした中で三国が出羽の酒田・佐渡の小木とともに日本三大船箪笥の発祥地として、北前船の必需品となった。
船箪笥には、帳簿・現金・印鑑・筆・硯などを納める懸硯(かけすずり)や帳箱・衣類を入れた半櫃(はんがい)など数種の形がある。懸硯(かけすずり)は手提げ金庫・帳箱は、船の備え付け金庫と思えばいい。堅牢な船箪笥は船が沈んでも投げ出された箪笥は、海に浮いて回収された例が、当時の浦証文となって資料館に残っている。船箪笥は、外見は堅く丈夫なケヤキ・中の収納部分は物をやさしく包む桐材で作る、隠し扉を付けたり、複数の形の違う鍵穴を開けたりし盗難防止のために内部は複雑で特殊なバネ仕掛けの錠前は、箪笥ごとに違う。ロックするには、指一本で足りるが開ける時は、全て違う合鍵(3〜7本)を使用し開ける。持ち主でなければ絶対に開けられない作りになっている。
匠工芸で作られる箪笥は全て100年〜150年前の古民家で使用されたケヤキの大黒柱や梁(はり)・床板の古材を使用しています。船箪笥は、もともと隙間は前面にしかなく、そこには重い鉄金具がこれでもかというほど打ち付けられている。当然海中に投げ出された時前面が下になる。だから前面の空気は逃げようがなく、箪笥の気密性がさらに浮力を生み、海に浮く様に出来ている。
先人の職人達があらゆる場面を想像して、持てる技と知恵を全て打ち込んだのが船箪笥である。

船箪笥の歴史3

「船箪笥のからくり」

船箪笥の内部構造は尋常ではない。銭箱・印箱・証文箱などをみだりに人目に触れさせないように知恵と技術をしぼって複雑なからくりに仕立ててある。すっかり分解しない限り決してわからない秘密の「隠し箱」があり、「亀戸(がめど)・ズリ戸・差し戸・懸戸(けんどん)・閂(かんぬき)・落し蓋」など色々と複雑な構造になっている。
錠前一式をはじめとする全ては手作りだ。金庫の金具だから鋳物は一切使わず、鉄板をタガネで切り、ヤスリで仕上げる。最後に漆を焼き付けるのは匠工芸独自の黒染めである。
生地が出来上がると漆師は錆付け(下地塗り)から仕上げ塗りまで何十回もの塗りと研磨を繰り返し、金具を取り付け、船箪笥を完成させる。
溜塗りは、歳月とともにうっすらと木埋(もくめ)が透けて見えてくる。これが何ともいえず美しい。塗り重ねた漆は、ただ美しいだけでなく、火にも強いので、金庫としての船箪笥に重要な役割を果たす。
塗りという仕事には「これでよし」という終わりがない。塗り重ねて磨くほど、漆特有の深みのある光沢が内側から湧き出てくる。

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